肉でハイになる

心臓が弱い方、精神が弱い方など、とにかく弱い方は閲覧をお控えください。この記事をご覧になって気分が悪くなったり、「肉ハイ」を実践してあなた方が不利益を被ることがあっても私は一切の責任を負いませんので悪しからず。

 

 

まだ肉に酔っているがありのまま起こったことをここに書いておく。

 

 

夢や現実など、常に何かに酔っている紳士淑女の皆さんこんにちは。あなた方Ladies 円 gentlemen は「肉ハイ」なるものをご存知だろうか。

 

「肉ハイ」とはその名の通り「肉」を食べて「ハイな気分」になる行為である。人間は肉を食べるとどうやらセロトニンを出すそうな。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれており、日光に当たっても出るらしい。簡単に言うと、肉食ってセロトニン出して幸福に浸ろうって言うことで、つまるところは「肉ハイ」とは人体のメカニズムに基づいた合法的な吹っ飛び方なのだ。

 

 

しかし、私たちは日常的に肉を食し、セロトニンを出すことが習慣化しているため、一般人はセロトニンに酔うことはできない。というより常にセロトニンに酔っているので、もはや酔っていることに気がつかない。

 

しかし、これに気がついた私はでぇぇんじき(断食以下でぇんじき)を行うことにより、セロトニンを抑え、初めて「肉ハイ」を行う権利を手に入れた。

 

やった、肉ハイを行える

 

用意するものは簡単。赤身の肉だ。ステーキ用の肉が好ましいだろう。和牛などという油の塊でも良いが、赤身は多ければ多いほど良い。味付けは肉本来の味や臭みを出すために塩胡椒のみ。焼き方は好みでどうぞ。

 

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今回私は牛肩ロースを使用した。

 

いただきます

 

私は生まれて初めてホンモノのいただきますを言っただろう。「肉ハイ」を行う時のコツとして、「いただきます」を言う前にその肉の生前の姿を想像し、生きていた草原に吹き抜ける風を感じ、屠殺される時に見た景色を思い、屠殺した人の人生や家族像を思い描き、、、など様々を思い馳せる。そして肉を口に運ぶ前に、肉を運び入れる口から次いでた言葉「いただきます」感謝。

 

 

これで準備は完璧。いざ、、

 

 

口に運ぶ前、異様な緊張感を覚えた。罪悪感とも取れるその感情。心臓の奥底から込み上げてくる手の震えは正しく禁忌を手にした者の勝ち誇ったような激情だ。

 

なるほど、生と死の概念を抱えた人間が肉を食するのはこれほどまでに喜ばしく、罪深いのだな。

 

私はもう一度言った。「いただきます

このいただきますは畏怖の念から出た物だろう。

 

 

 

パクりンゴ

 

泣いた。なぜ涙が溢れてくるのだろう。それは紛れもなくセロトニンが作りだす偽りの幸福とそれを手にするために犠牲になった者を知って起きた複雑な感情によるものだろう。

 

わっけわかんないですょ、みさとさぁぁぁあん

 

 

もう一度、もう一度言わなければならない。「いただきます、いただきます、、」おそらく私の声はチェンソーを持っている時に言うように震えていただろう。ハンモックのような生ぬるい揺れじゃない。

 

 

やはり罪悪感は拭いきれない。しかし箸は止まらない。やめてくれ、やめてくれと思っても体は箸を止めることを知らない。

 

気がつくとぺろりと完食してしまっていた。

 

 

やってしまった。しかし気分がいい」率直な感想だ。

 

 

そしてそれは、皿を片付けるために立ち上がったその時に突然起こった。春の開花のように、夏の終わりのように、秋の実りのように、冬の終わりのように突然来たのだ。

 

頭が気持ちぇぇえ

というより脳みそが温かくなっていた。

 

 

私は笑っていた。確かに笑っていた。私の意に反して笑っていた。見る人が見れば気持ち悪いが、紛うことなく笑っていた。幸福だ。美しい、世界に光が満ちた。冷たい水をください。かつ愛してください。世の果てでは牛が屠殺される。何という快っ感!支配者としての喜び!生きているんだ、生きている!明日も生きて巨人を駆逐してやる!

 

 

空きっ腹にカフェインを飲んだような、ヤニクラを起こしたような頭の中のボヤボヤ感。しかしカフェインやタバコのような感覚とは違う。なぜなら私が感じたボヤボヤ感はセロトニンが作り出した幻影なのだから、ドーパミンの幻影とは幸福の質が違う。ホントに笑が込み上げてきてしまうのだ。

 

 

外に出てみた。太陽の眩しさは人間を人間とたらしめさせ、それでいいのだと直感的に感じた。肌に当たる風は優しく私を包み込み「抗っても流されてもいいじゃない」と言っていた。

 

ちょうど今日は新月だ。私は生まれ変わったんだな、この世界に生まれ落ちたのだなと、新しく始まる何かに期待を膨らませた。

 

肉、最&高、DJ, KOO

 

 

 

 

とにかく弱い人はやらないでください。私は去年も断食からの肉ハイを実践し、失敗し、ただ泣くことしかできませんでした。それは私の心の弱さが原因でしょう。私はそれを克服するために冷水シャワーを毎朝浴び、瞑想をし精神を鍛え上げ初めて「肉ハイ」を完成させました。

また断食後は腸内環境が不安定なのでお気をつけて。

 

最後に大多数の人は「肉ハイ」を頭おかしいと捉えるでしょうが、科学に基づいたぶっ飛び方であり、かつ私は「いただきます」の本質を示す物だと思っています。また、「いただきます」を息をするかのように使っているのであれば是非「肉ハイ」をきっかけとして「いただきます」の意味を考えてみるのも良いのではないかと考えます。